P2P掲示板の考えかた

なぜ荒らしが嫌われ忌まれるのか。それは見て不快なだけでなく、掲示板のサーバのリソースをまるで無駄に消耗するからだ。無駄なCPU時間、ストレージへのログ、それにより発生するメンテナンス費用。あらゆる意味で荒らしは掲示板社会の害悪である。

なぜ荒らしが出現するか。それは(荒らしが小学生並みの弁別能力しか持たないにもかかわらず)自由にネットに書き込めるからだ。掲示板への書き込みには何らかの制限を持たせるべきだ。そうすれば荒らしは居なくなる----そう考えた先人がID機能やNG機能を作成し、30秒待たないと掲示板への書き込みが許されなくなった。これはそこそこ従来の掲示板では効果を上げている。

しかしながら、P2P上のリソースは、一極構造の従来の掲示板と比べておおらかで、自由にアクセスできてしまう。個々人のソフトウェアが「30秒ルール」により連投を自己規制しているだけなので、悪意のある荒らしがソースを書き変えリコンパイルすれば、すぐにP2Pリソースは食い潰されてしまうだろう。

ここで重要なP2P的な考え方が浮上する:

三つめが重要だ。従来のBBSはたいてい無料で、その費用は広告で負担されていた。しかし本来ならばサービスというものは等価交換なのであり、サービスを受けるにはそれなりの対価を支払わなければならない。P2Pはこの本質を恢復する。P2P掲示板では、全ての利用者が通信路の一端を担い、データの責任ある保持者となり、接続を保守する。これができないノードは自動的に排除される。これはただ単に、通信を転送できないノードはゴミであり、データを保持できないノードはゴミであり、接続を保守できないノードもまたゴミだからだ。

しかしどうやって対価を払えばいいんだ?CPU資源もストレージも移動できないぞ?

逆に考えよう。世の中には手形取引ってものがある。コンピュータの資源を使わせてあげたから、その分を使用者に「取り返せる」という証拠を、デジタル署名で作成する。あとはそれが通貨として通用する。手形の裏書譲渡だ。

さて、資源の「その分」って何だろう。「手形」が流通するためには、定量的な価値の尺度が必要になる。
書き込みには様々な要素が介在するけど、その最も大きな要素はいったい何だ?CPU時間?ストレージの容量?回線を塞いだ時間?どうやって算出しよう?

まあそれはあとで考えよう。ただ「対価」というくらいだから、一度渡すともう使えないような性質のものが適しているかもしれない。

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Written by Momijikawa

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